2017年11月1日水曜日

旅三昧

「mu-an」の迪子さんは、
ひとつの個展をすることは、一冊の「物語」を読むような
ひとつの個展を終えることは、その「物語」を閉じるような、気持ちです
とおっしゃっていました



おそらくは同じような気持ち、を私が例えるとすれば、
それは「旅」であるように感じています



ひとつの企画をすることは、ひとつの旅に出ることであるような
ひとつの展示を終えることは、ひとつの旅から帰ることであるような


今、新たな立場で作家さんたちと展覧会や作品展について話をすることは、
私にとっては道なき大海原をゆく大冒険のごとく

新たな旅が始まっているのを感じます

一つの展覧会を開くまでの、幾筋もの旅


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これまでも、街のギャラリーを訪ねることや、芸術表現に触れることは、
私にとって非日常であり、ひとつの旅であるように感じていました

その空間へ足を運ぶこと自体が「旅」的であるだけでなく、
一つの展覧会は作家の表現世界への「旅」であると同時に、
自らの内世界へのいざないでもあるように思います

その余韻は、実際の旅(旅行)の余韻に、とてもよく似ています

愛着を感じて買い求めた作品は、
日常の中で目にするたび、手にするたびに、
作家や、そのひとの暮らす地、あるいは買い求めた場所を思い出させてくれ、
絵画や写真は、いつでもその世界に私を招いてくれます

そう考えると・・・
これから私が携わるのは
そういった「旅」をご用意することのできるシゴト
と言えるでしょうか



作家や表現者たち、
(彼らこそ、深く長い旅をしているひとたちではないかと思っているのですが
彼ら自身の旅の途中で、出逢わせてもらえることのしあわせ

それを必要とするひとに伝え、手渡すことのできるしあわせ

ひとつの展示を終える時、
私はそういったことへの感謝に充ちて、
ひとつの旅から帰る気分になるのでしょうか。。。


でも旅も物語も、終わることはなく
余韻と、おそらくは泣き笑いの詰まった土産話とともに
また新たな旅に出るのでしょう


作家・表現者も
場の主宰者である私も
足を運んでくださる皆様も

旅の人

旅三昧 




とはいえ「旅」というのは
私の中のキーワードにすぎません

作家には好きなように発信していただき
皆様には自由に受け止めていただきたいと思いますが

時に、
アート、クラフト、様々な「表現」との出会いから
内なる世界への旅がはじまりますよう…

内観するべく
「静かに佇める場」でも在りたい
願って営みたいと思います